不思議な関係

 職場内の飲み会で聞いた話。  隣同士に座っている二人。  仮に男性は31歳ぐらい。女性は、25歳。  彼は、もう5年ぐらい働いていてベテラン。昨年の秋ごろ新しく入った女性の方は、少し変わった苗字。まだ、親しい話につながっていかない関係では、踏み込んだことも話せないけど、彼は、 「小学生のときの担任(女性)の名前と同じだ!」と、思っている。  そして、実際職務以外の会話もするようになり、そのことを問うと、担任の先生の娘ということが判明。  第三者は、ここで「へっ~」と思っている。でも、学校の先生というと「ざーます眼鏡」をかけているという偏見を拭い去れないオレ。  さらに話を進めると、彼は、専門学生時代に、その担任の地元の飲食店でバイトしたことがあるらしく、ある日、先生と旦那さんと小学生の娘がふらっと立ち寄り、食べていったとのこと。  25歳になった女性は、その時の特徴ある彼の声を覚えているらしく、職場に来たとき、もしかして「あの人かな」と、感じたと言った。  知らないところで、自分も気づかずに網の目が張ったような関係が、どこかで、こっそりはりめぐされているのかもしれませんね。  その話を聞いたときの衝撃が伝わればいいかな? と思っているがどうでしょう。 縁は異なもの 縁は異なもの

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友人について

 大人になってからでも、友人が出来るのか? その疑問と回答。  二人とも、20代の後半だった。そろそろ、真面目に人生に取り組んでもいいかなと考えている。そんな時に会った。彼はぼくの一歳年上。葛飾区でやんちゃに育つとは?  ぼくの持っていないものを彼はたくさん持っていた。先ず、子供が彼に群がるように寄っていく。なんで子供たちは分かるのだろう。なんか特別な嗅覚があるのか。そんな彼には、実際にはほんとうの自分の子供がいる。だが、離婚して会えない環境にいる。そのことを、ぼくはたまに眠れない夜に考えてみたりする。もしかして、その子供たちは、彼のこと(お父さん)を恨んでいるのではないだろうか? まったくあんなに子供を愛している人間なんか見たことないぜ、と全精力で否定したいが面識もないので誤解も解けないまま。いつか分かってくれる日が来てくれればいい。世界の裏まで見れる神でもないし。自分の限界はここまで。  そんな彼は一人では住むには広すぎるマンションのローンをせっせと払っている。自分も通勤などしなければ一緒に住んで、少しぐらい肩代わりしたいなと思ったりするけれども、男の人って黙って耐えることも、生きていればたくさんある。  根本的に優しいんだろう。ぼくの親が大病したり、ある女性との決裂でくさっていると、自分のことのようにぼくのもろい心を心配してくれる。そっとしておいてほしいな、というささやかな気持ちを軽々と飛び越え、過剰なまでに心配してくれた。  段々と会う機会も減るが、さすがに一…

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見つけるということ

 数歳だけ年の離れた兄がよく外で拾ってきた猫や、犬を大事そうに抱え、「これを飼ってもいい?」と、母に尋ねていた。もちろん、答えはノーで、あんなに母親も動物が好きそうなのに、と家でミクロマンなどで遊んでいる自分は思った。  と、それ以上に考えることは、どこで一体、彼らを探してくるのだろう? という疑問。自分は、一度もそうした状況に遭遇したことがない。ある日、だいぶ年の離れた弟も小さな犬を拾ってきた。その時には、うちにも飼い犬がいて、すごい臆病なやつは、そばにその犬を近づけると、「ほんと、犬とかそばに寄せるのやめて!」と同類に憐れみを示さず、後ずさりしていた。  途中経過の結論として、やっぱり人間は自分の関心がないことには、自然と目をつぶってしまっているのではないか、とのこと。そうじゃなかったら、自分だって犬の二匹や三匹は見つけてきたはず。  そんな自分も、時計になると可愛いデザインを探してくる。ちょっと奇抜なものや、色使いの不思議なものを。それらを家に招くと、彼らは「良かった。なんか良い人そうな人に買ってもらって」と言っているような。そう出番がなくても、家で休んでいますんで、とかも語り合っているような。  結局、大事にしてくれそうな人のもとに行きたいな、と。人間も誰しもそんな希望を持っているんじゃないの。無下にされるよりはね。  でも、探したりすることって、心の奥深くが反映されるような気も。恐怖も焦りも、また幸福も、こころの奥の、魚の骨が引っかかるような部分からの、表面…

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五年間

 最初は、急にテレビの放送番組が変わり、映画でも放映しているのだろうかと思った。それにしても見たことない映像だし、まったくCGっぽくないし不思議な番組だなとの印象を持つ。  それでも、ビルから白い煙が上がるのを気になって見ていた。すると、次にそのビルにまた飛行機が突っ込んでいく。あれ、なんか只事じゃないぞ。  テレビの音量をあげ、流れる声に耳を傾けると、事故にしてはありえない突入の仕方。その声も戸惑っている。それから、テロの仕業に気付いたのは、いつごろだったのだろう。  その時、彼の地に知り合いが旅していた。心配をよそに帰ってきた彼は、次の日にあのビルを観光する予定だったのこと。どうでもよいが、もう誰も叶えることが出来ない目的地。グラウンド・ゼロ。  その一月後に、はじめてヨーロッパに行った。乗り継ぎがスムーズに行かず、オランダの空港で長い待ち時間。その間、ニュースのCNNを長時間、見守る。なんか世の中の終わりに足を踏み込んでしまったんだな、と実感する。これも最後の旅になるのだろうか?  と、不安と焦燥の時代にも、人間は意外にもストレスの耐性が出来上がるらしく、あれやこれや酷い辛いニュースに直面しても、気も狂うわけでもなく、なんか乗り越えている。  しかし、確実にコフィー・アナンさんは忙しくなり、まともな心も無頓着になり、さまざまなことに知らない振りをする癖がついた。  こんな場所に生まれてきたかったのだろうか。  9.11を前にして。

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セコイ

 電器屋さんのポイントを貯めたり、クレジットカードのポイントをビデオ店のポイントに移行したり、こまごましたことを重ね、思ったより安い料金でネットで「アキコ・グレース」のCDを買った。  コンビニで決済する際、支払いの用紙をpdfファイルに変えて、それをプリンターで印刷し、お金が払えたりするんだね。感心。  それが送られる過程を、これまたネットで追跡すると、もう配送済み(ポストに投函)になっている。だが、手元にない。あわてて連絡すると恐縮した配達のおじさんが持ってきた。便利なようで不便なようで。  しかし、店頭などでポイントを使うのが、これまた嫌い。お金もないくせに見栄坊でこまる。  すべての行動にトラウマがあるなら、これも理由があるかもしれない。  幼少のころ、いとこの家で遊んでいるとき、その2歳ぐらい年下の子のアイスの棒にあたりの文字が。おばさんに換えてきな、と送られ近所のお店に行くと、そこの店主が「ほんとにうちで買ったの?」と疑問をみせる。もう大人の自分だったら、お客の顔を覚えてなんぼだろ! という所だが、(真実は言えないに賭ける)子供二人は、アイスの袋を家に取りに行き、やっと交換してもらった。やっぱり、こじつけながらこれが理由だろう。大人っていや~ね。  ゆっくり聴こう。

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普通に良い曲

 ちょっと前に職場の人に借り、パソコンに取り込みそのまま放置。今日ネットをつなぎながら音楽をかけていた。そうこうしていると、この、「星の生まれる日」という曲が耳に入る。Coccoという人らしい。詳しく知らないが、この前タモリさんの音楽番組に出ていた。  なんかしみじみしちゃいますね。  その人から、こんな話も。人生の不思議な一面。  現在の仕事が、終了するので派遣会社に、過去の詳しい経歴と現在の状況を報告しに行くために出向く。  そこで、マイクロソフト社のソフトのテストがある。(ワードやエクセルというあれね!)ぎりぎりの点数でかろうじて合格点以下なので、数回トライして、クリアする。いやなテストも無事に過ぎ、そこでとんとん拍子に、いま就いている仕事が終わってから、直ぐに次の良さそうな仕事の情報を案内される。  ぼくも、その話を聞き、良さそうだなと思う。なんなら、ぼくにぐらいの勢い。時給も問題なし。勤務地も理想とそう遠くない。仕事内容も、まあちょっと今より大変かもしれないが、急がないで気楽に覚えてくれればいいよ、とせっつかれない感じ。  だが、その仕事場を紹介する営業の人が腑に落ちない顔。その会社が入っているビルと、彼女が以前、社員で働いていた会社が、あまり愉快でもないことを経験したその会社が同じ大きくもないビルの上と下。顔を合わす可能性は大きいそう。条件は良くても、その話は流れる。それほどの嫌悪感とトラウマがあったそう。やはり、人生って不思議な糸が張り巡らされて…

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仕事だっつーのに

 こんな写メが来た。    凄い景色のいいとこじゃん。一体どこだよ! そうか巷は三連休か? もう!  この知り合い、酒飲みのプロ。ぼくより先に酔ったことがない。自分のアマチュア差加減に気付いてしまう。  でも、休日に仕事に行くため、電車に乗ると、ゆっくり座って本が読めるので、そんなに嫌でもないんだな。  今日は、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を読み直す。旧題名、ライ麦畑でつかまえて、です。かれこれ5回目ぐらいか。  すべての素振りがホームランにつながるように、(なんのことやら!)すべての行為が思い出につながる。最初に読んだときは、ジーンズの後ろに本を突っ込み、母校(中学)の先生に会いに行った。この担任でもあった先生は、本当に良い教師だった。すべての授業を終え、放課後、担当は数学なのに、英語も教えてくれた。また、それが上手かった。自分の学校に来る前の生徒にサッカーの北澤さんがいたということ。ぼくもスポーツをしていたが、彼より恵まれた体格を持っている、と言われた。でも、片や日本代表にもなるガッツの持ち主だしね。  この本は、ジョン・レノンを撃った犯人が、読んでいたとかで注目も浴びてしまう。ぼくも最初に読んだ頃は、悩める青年だった。でも、現在は、ユーモア小説のようにも読むし、ただこういう主人公を造形した作者に恐れ入る。また、数年経ったら印象も変わるでしょう。

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公衆電話

 青春時代と携帯電話が見事に一致しない。auとかボーダフォンとかいう言葉すら、存在しない世の中。メリットといえば、友人たちの電話番号を暗記する能力があったな、ということだけ。もちろんこの能力も必要なくなるので、退化してしまう。残念です。多いときは30人ぐらい覚えていたような気もする。  なので大事な電話をするときは、小銭を片手に電話ボックスを探す。テレフォン・カードすらない時代だったのね。でも、その経験と記憶が合致する。その時に使った、電話ボックスを見かけると、(残っていればの話だけど)どんな状態だったのか思いだせる。  あの電話ボックスでは、昨夜の誤解を解こうと必死だったよな? とか。(人間は分かり合えるものなのか? という哲学的な問題は抜きにして)あそこでは、別れた女性に久し振りに電話をしたっけ、という敗北の記念碑が立っている。惨敗のモニュメント。また逆にここから、あの子は電話をくれたのか? との信頼の隠れ場所の発見。  いまは、携帯とメールの時代。ブログや文章の力を信じている自分。だが、きっぱりとメールを軽視している自分。この差はなんなんだろう? メールを電報ぐらいに考えているのかな。「チチ危篤 スグカエレ」みたいな情報のみの電信の伝心。足元をすくわれなければいいよな、と思いますが。  場所に記憶が残るという結論で幕。  文章で革命の扇動もできると思うし(恐っ)、暖かい気持ちを作ることもできそうだけど、メールってなんなの? たかが親指のリハビリぐらいにしか認識してい…

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イケメン・ブギ

 あれは、まだ17才ぐらいだろうか? 街中をひとりブラブラしている。眼の悪い自分では、かすかにしか判断できない人影。こちらに向かっているのは、ちょっときれいそうな女性なのか?  歩いていると、自然に近寄ってくる2人。あれ? もしかして女性の姿をした男性? え? でも、直視できない雰囲気が。その時、すれ違いざまに、「あ、いい男」って言ったよな。オレのこと?  弁解だか、訂正だかに困るが、もちろん普通の容姿の自分。でも、そんな賛美の言葉を言われたこともないし、ちょっと嬉しいのか? だが、振り向くわけにも行かず、走り去ることも出来ず、いままでと同じスピードで歩いている自分。だけど、恐いというのも歴然とした事実。  下品な方向に発展するのか? この自分には実害がないが、ぼくの友人。野球部でマッチョで、こんなに毛深い人間を自分は、知らないが、この友人が地下鉄内で同性から、軽くタッチ。なんかやっぱり世の中って恐ろしい所なのね。うぶでいたかったなという、浅はかな思い。

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ミュージカ

 音楽体験の歴史。  栃木の森のなかで働いている。休みになると、町に降りてCDショップに入る。田舎の店なので品揃えもいまいちな感じは否めない。  でも、そんな店でも大量に買うお客が出来、自分が入ると店員さんは、お得意さんの登場にマンツーマン・ディフェンス。多分、マイルス・デイビスの死んだ年だろう。ベスト盤が4枚組みで出た。それを購入し、朝の仕事を終え、「イン・ア・サイレント・ウェイ」を聴く。ああ、こんな音楽がやはりあるのか。  それから、東京に戻り、半年ぐらいたったある日、五反田でMJQとローリンド・アルメイダの協演。それでは、あの「アランフェス協奏曲」もプレイするのか? なぜか期待が大きく病気になった。それでも、かけつけ夢うつつでこの曲を聴く。この体調すら、音楽を聴く準備だったような。  また、それから数年。場所はシャンテという日比谷の所か。「親愛なる日記」というイタリア映画を観る。監督自身が主演で、夏の誰もいない町をヴェスパに乗り、探索するカメラ。そのバックにキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」が流れる。ああ、夏の暑さを忘れる一時。  さらに現代に戻り、マーラーの5番を聴く。やはりアダージョでしょう。このハープの音が、マイルスの「イン・ア・サイレント・ウェイ」のギターの使い方と同じなのに気付く。  これらすべてが、一瞬にして違う場所に自分を運んだ。このような経験をこれからもしたいな、と強く願う。そのためには、ある種の固定観念を捨てる努力が必要になる。こころ…

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トゥルーボイス(48)

ジャポネ  アメリカの西海岸にいる。ときは’97年か。  街を転々とする。そこで、日本人としての自覚を感じざるを得ないことが、多少あったり。  カーネルというきれいな街があった。大きな洗練されたゴルフ場。数グループで小さなワゴン車に乗り、手当たり次第にまわる。その座席の後ろに座ったおばちゃんが、この地に深く関連した「クリント・イーストウッド」という言葉を上手く言えずにいた。そういう自分も飛行機の中で、アテンダントさんに「ジンジャー・エール」が通じず困った。このまま一生、のどが渇いたままなのか、と想像したり。「じゃあ、コーク」  ラスベガスの大きなスクリーンに、野球の長谷川投手が映っている。近くのアナハイムで投げていた頃。この映像を見た時、世界で活躍することの大変さを実感しました。  国境を越える。メキシコのティファナ。そこで物を売りつけようと店員に呼びかけられる。その時に発した名前が「千代の富士」だった。いつの時代だよ! 貴乃花(貴花田?)か野茂とか、そんな情報は入ってこないのか! もう。  ロスの映画遊園地にいる。友人と楽しく騒いでいたら、身体の大きなアメリカ人に友人がぶつかる。その時に取った行動は? 英語教育とは? 「アイム・ソーリー」の一言で済むのか? でも、目の前に両手を合わし、軽く会釈。出た、仏教徒。咄嗟の判断は、これでした。  そこの入り口近辺にあるスポーツショップで、ロベルト・クレメンテのフィギアが売っていた。それを購入したかったが、悩んだ末…

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トゥルーボイス(47)

タクシー  ブーツ型の国にいる。その中心であるローマでタクシーに乗っている自分。ツアーだがフリーな一日、ローマからポンペイまで行く一行に参加するための移動。後ろに同乗しているのはたまたまツアーで一緒の新婚さん。タクシーの運転手の助手席には、ぼくが乗り、泊まっているのとは別のホテルのロビーに向かっている。  その朝早い時刻にも関わらず、荒っぽい運転のタクシー。ローマで初めてシートベルトをしたのは自分かもと思ったり。でも、その緊張感のせいなのか外のローマの古い景色は胸を打つ。  ナポリ経由で、(キリストの涙という、とろっとした白いワインを飲む。この旅行で昼間に飲む罪悪感を、彼の地に置いて来てしまった)一世紀に突如消えた街に着く。世界の神秘。    一日過ごし、ローマの駅前に着く。新婚さんは、カンツォーネ・ディナーを観に行くためにここでお別れ。自分も、別行動で駅の下の商店街を見て、そろそろ帰るかと考えていると地下鉄が事故らしく足止めをくう。  タクシーでも乗ろうかと通りに出ると、案の定つかまらない。そこへ、一人の男性が表れる。「おれに任せろ。直ぐだから」との勢いで、通り行く車すれすれに立ち手を上げる。もしかして、これがイタリア人に望んでいることではないのか? とゆとりを持って眺めても彼の策は失敗。「駄目みたいだな」とのこと。あらら。でもこの親切に対して金銭の授受は必要か、否か?  駅の雑誌売店で切符を買い、また地下鉄をトライ。混んでいるがなんとか乗れた。すると今度は全員…

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トゥルーボイス(46)

膝の重み  酔った勢いで友人の家に寄る。整頓など出来ない彼だが、結婚したあとの彼の家に入り、驚く。きちんと整理され、無造作などどこにも見当たらない。完全な収納術。  その妻である女性が、しっかりしているんでしょうね。きちっとして、気が強そうで。だが、物事はそう上手く行かず、彼は再婚する。その女性を見て、また驚く。以前の女性が放つ雰囲気にそっくりだったから。スペードのキングを手放し、ハートのキングを手に入れても、部外者には、彼の最後の決め手、向かっているゴールが分からない。  だが、見慣れてくるといかにもその二人がぴったり合っているようにも見える。とくに、小さな子供を連れているときなどは。ここからが、本題かも。  別の友人が新しく、マンションを買ったということで、そのまっさらな住まいを見ながら、お祝いを兼ねて飲もう、ということになり、彼の新しい家に数人が集まった。最初に語った友人も、そこにはいた。  まだ、子供嫌いの尻尾が残る自分。一つのイメージに悩まされる。デパートで絶叫しながら、走り回る子供。それが、自分の子供に対して持つ一面であり、また全部。  だが、その新しい畳の上で、彼の子供が、父親にでもなく、子供好きが知れ渡っている人間でもなく、ぼくの胡坐(あぐら)をかいた膝の上に座り、楽しそうにご飯を食べたり、テレビを見たりしていた。その時に、なぜかこの重みは嫌なものではないな、と悟ったような。  それ以来、多少子供嫌いが払拭できたかも。というか逆転したりして…

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トゥルーボイス(45)

自尊心  将来に、ある人が表れ、(その人のイニシャルを告げられる)あなたの人生を変えるでしょう。という夢を見た。大げさな出だしだが、本当はいらない導入かも。  その頃、ぼくは人間関係で消耗し、(大方の疲れって人間関係のいざこざだけかとも思う)生活自体を楽しくないものだと思い始めている。でも、動物ではないし、まったくの孤立ということも出来かねる。そこに、自分に反抗的な後輩などもいれば、なお更である。  ちょっと、正しく改良するのも無駄かなと思い始めた矢先、ある人が表れた。その人と数語を交わしただけで、さらに数分、数回と会っていくうちに、ぼくの心は温かく溶解する。なんだ、こんな人もいるんじゃないか? 遅すぎるぜ。  いくつか年上で、結婚していて、ただ憧れているような状況だった。その人といると、幾分5センチぐらい背が高くなったように感じられ、自分に自信がもて、リラックスしてと、とてもいいことずくめだった。もう少し、違った出会い(年代とか、さまざまなもの。例えば幼稚園の先生とか、お姉さんとか、大事な局面に表れる導き手として)を考えてみたり。「AI」という映画の水中の女性のようでもある。  しかし、このように優しくて暖かくて、親しみ深くって、と基準を(人間自体の、ここが理想主義者の決定的な悲劇)高く設けると、現実とのギャップに戸惑うこともある。やっぱり、人生って辛らつで、ひりひりするほど険しくって、冷たくてと決め付けた方が、生きるのが容易だったような気もする。一長一短です。 …

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トゥルーボイス(44)

崩壊  阪神の大震災や、9月11日という歴史的な大事件がある。これは、ひとりの人間にとって、それに匹敵する出来事。大仰ではない、普段着の衣装をまとって訪れるので、そんなに大事になるとは予測がつかなかった。  学生時代、彼に気になる異性が出来ると、当然のごとく親しい友人に打ち明ける。それと共にその当人の耳に入るようにも仕向ける。(うぶっすね)  そこで、いつも立ちはだかる人間が登場。そうしたことを耳にすると、必ずその女性に告白し、付き合うようになっている。  まあ、可愛い子がいるのは、反論のできない事実だし、偶然ということも考えられるから数回は多めに見るのも、また事実。  しかし、彼にとって大切な女性がいた。だが、若いし、いろいろなことに興味もあるし、友人と遊ぶ時間も必要だし、とちょっと離れた瞬間、またもやその男性が表れる。なんだろう?  でも、彼も代わりぐらい直ぐに見つかるから、どうぞ、ぐらいの気持ちだった。でも、後から考えると代わりなんか、そうはいなかった。若いって認識力の欠如なんですね。彼に見せたこともない表情をしている姿を、彼は一緒になってしまった店で知る。  価値観の崩壊がはじまり、路線変更を迫られ、少年や青年であることをやめ、そこからの彼は真理を知りたいと願うようになる。だって、今まであって当然だと思っていたのに急に手が届かなくなるんだよ。  どこかに絶対の真理の扉があって、透明な把手がついていて、それを運が良ければ、手探りで掴めるのではな…

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トゥルーボイス(43)

ベンチ  又聞きなので、不正確な部分も。でも多少、面白ければ良しとする内容。  彼女は、たまに平日に休みがある。そのような時に、自転車に乗り、前のかごには文庫やお菓子などを入れ、ちょっと離れた公園で時間を過ごすそう。  その途中に、これは小さな公園で、猫が日向ぼっこするには丁度手頃な大きさの公園があるそう。そのような手狭な場所なので、平日には、その小さいほうの公園には、人の気配がまったくない。  そして、たまの平日の休みだし、また違う道を選んでしまうこともあるので、彼女がその小さい公園を自転車をこぎながら横目で見る機会は、確率的に少なくなる。  だが、彼女の頭の中に一つのイメージが思い浮かぶ、そして、それが自分でも確実視していく。それは、もし自分にぴったりの異性がいるとするなら、このような小さな公園で、一人静かに座り、休憩するなり、猫の様子をみたり、戯(たわむ)れていたりするんじゃないか、との不確かなイメージ。でも、そんなことをするのは、老人なんじゃないの? とこのブログを書いている自分は思う。  しかし、ある平日に実際に座っている男性がいたそうである。そして、その人物は彼女が以前、別れた男性なのだから驚きである。彼女は、あわてて自転車を止め、その小さな公園に入り、簡単な挨拶をする。多分、「元気? 最近どう?」みたいな感じであろう。だが、それっきりで彼女は平日の決まったルートを変えなかった。戻って、お茶ぐらいする余裕もあるうだろうし、予定をかえて困ることも一切な…

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トゥルーボイス(42)

気にかける  歪んでいるな、ということを承知の上で、しっかりと大地に二本足で立って揺らぎもしない女性に、ちょっと甘えてみたいな、と考えたりする。これが、対女性にむける基本姿勢。(ばかだよな!)  でも、この地球に一人だけ妹のように考えられる人がいる。この女性がいなかったら、このぼくの感情も持ちえなかった、と大げさに考えたりもする。要求も譲渡も介在しない関係なのか?(甘えているばかりじゃないぞ) 遠い地にいて、またしっかりしているので、普通に頑張っているんだろうな、と心やすかに、安心している気持ちを多く含んで。  毎日、妹のことを思い浮かべて生活をするわけでもなく、たまにどうしているのかな? とふと頭の片隅にちらちらするが、当然のように日常の瑣末なことに心は傾き続ける。忘れかけているころにメールをしたり、また急に戻って来たり。  ある日、眠っていて夢を見た。その彼女が病気になっているという状況の夢だった。次の日、まあ夢だし、そんなことありえない、と思いつつもこんな夢を見たんだ、どうしている? というメールをしてみた。そこで意外にも彼女は、火傷(やけど)をしていた。大したことはないらしいが、それは若い女性だし、普通に心配する。その後、だいぶ経ってから、対面する機会をもつが、あとがまったく残っていなかった。でも、顔だったんだよ。こっちは、包帯ぐるぐる巻きのミイラ人間みたいなものまでイメージしていた。でも、良かった。  そして、また妹のような存在を毎日、気にして生活することも…

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縁は異なもの

縁(えん)は異なもの  むかし、みどりは(緑)は異なもの、と読んでいた。おれって、リアルなフールか?  仕事の休憩中、母親ぐらいの女性と話す。それで自分のこころを訓練し、数ヶ月ぶりに実家に電話をかける。ここで、びっくりエピソード。父の入院中に、同部屋にパン屋さんがおり、そのパン屋さんに勤めている人がやめるため、その代わりに、ぼくの母親が働くことになっていた。この社交性に、いつまで経ってもあきれる、もしくは深く感心。  その子供って、3億光年ぐらいの人見知りで、いつまでも腹を割らない息子が生まれるのかね? どうしてなんだか。  と、いいながらも数年前に一緒に働いていた子に連絡をとって、今度遊ぶことにもなった。悲しいことに同性。でも、格好良いので、ちょっと浮かれ気味。でも、ハンサム君と歩くと、見劣りするからな? と自意識過剰が消えない、ひげに白髪の元少年。

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トゥルーボイス(41)

いたずら  学生時代に好きだったいたずら。  それは、学校に乗ってきた自転車(本当はいけない)を、逆さまというか裏返しにして、タイヤが真上を向いて置く。そのまま、スニーカーに履き替え、帰ってしまうので、多くはいきがった生徒のものをするが、それをどう戻すかまでは見ていない。ただ、結果がどうなったか考えてほくそ笑む。  あの後輩には、恐がられている先輩が、後輩たち監視の前で、面目まるつぶれだよな、との空想を楽しむ。もちろん、誰がやったかは分かっているのだろうが。それは、それ。  給食に出る食パンの上にのせる生クリームで、パイ投げもした。その後、みんなで水道に備え付けの、緑色の石鹸(シャボンという名がぴったり)で頭を洗った。そのせいか、現在、頭髪が心配になってきている。(ここはうそ)でも、あんなに楽しいとは、自分でやってみるまで分からなかった。お試しあれ。

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キャラ設定

 誰かの話に合わせたり、気に入られようという努力がキャラ作りに反映する。  皆は、どのようにしているのだろうか? まあ、普通にあるがままなのか、それとも、どこか演じたり、なにかの対象に頼ったりするのだろうか?  また、ウディ・アレン。カメレオンマンという映画がある。ユダヤ人ということを多く引きずっているのかもしれないが、多かれ少なかれ、この生活を守るためには(保全というのが動機か?)、どこか演技者が求められるのかもしれませんね。ああ、悲しい。  本当の自分。ベッドに転がって空想する自分。なりたい自分。  まだ青いのか。

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トゥルーボイス(40)

次に、お待ちの方、どうぞ!  彼は、高校に通っている。  スポーツに力を入れている学校らしく、男子学生の比率が多い。男性8割の女性2割ぐらいの配分であろうか。  彼は、教室にいる。恒例行事のように、休み時間や昼休みの時に、ある一人の女子生徒が廊下に呼ばれる。その意図は、男子学生から交際を求められるため。多分、毎日のように行われているので、彼女は、その度に断っているのだろう。  容姿は、本田美奈子さんを、もうちょっとぽっちゃりさせたよう。可愛いのは間違いないが、彼は首をかしげる。  その校舎内で彼が、気になる異性は、掃除で出掛ける中等部の先生。16歳の彼から、プラス10歳ぐらいだろうか。  適当に掃除をしていると、すかさず注意される。それを待っているのか、相変わらず力を入れない彼。  バームクーヘンの層を剥ぐように気持ちの奥深くに入り込む。やはり彼は、きれいで頭がよくてきつそうなお姉さんが欲しかっただけなのか? 三人兄弟のこころの盲点か? たしかに病んでいるのかもしれない。  後年、こうした思慕のため、手酷いしっぺ返しをくらうかもしれないが関係ない。真実というのは、強い紫外線のようにひりひりする。

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トゥルーボイス(39)

憧れと空白  中学の悪友たちの憧れ的存在の女性。それは、同級生(女性)のお姉さん。3歳年上なので、14ぐらいの時は、17歳。  よく用もないのに、その同級生(この人は、気さくさが売りもの)の家の前に行き、お姉さんが出て来るのを待つ。そして、すこし話しただけで、その日一日はラッキー感に包まれる。  またバイト先に行き、これまた飲みたくもないジュースを買ったり。  どうしたきっかけかは忘れたが、友達が18で免許を取り、この女性と一緒にドライブに行ける幸運。千載一遇のチャンス。  でも、後ろの座席の隣に座ってくれているのに、もう少しどうにかならないのかな、というほどの口下手。それとも、クールを装いすぎたのか? 消したい記憶。過去の敗者の遺産。  笑わせたり、誉めたり、おだてたり、なんとか、その場を盛り上げることもできたのになぁ、と後悔の結晶。  その後、何日も経過した後だと思うが、居酒屋に行くと、この人が彼氏と先に飲んでいた。それはもてるからね。なぜか、隣の席に呼ばれ、一緒に飲み始める。  「なになに君だよね」彼氏が、ぼくの名前を呼ぶ。やばい、なんか身の危険。店の外に連れ出されるのか。潔白です。と身構えたが、  「子供の時、よく遊んだよね」  「え、知らないです」これは、本当。  「前の家、あそこだよね」  「そうです」  「その家の向かいの、○○店のおれだよ」  「ありましたけど、知らないです」  殴られはしなかったけど、なんか腑に落ち…

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トゥルーボイス(38)

深層心理  今日も、陸上部の練習。校庭を抜け出て、学校のまわりを走る。長距離の人は、数周。短距離の人は、交代で、そのトップを先導する。  それを始める前に、身体をほぐしながら準備していると、近くの高校生が向こうから。自転車に乗った、さわやかな風とともに、美人がぼくに話しかける。シャンプーのコマーシャルのようになびく髪。  「練習なの? 頑張ってね」  通り過ぎてから、部活のメンバーに「だれ?」と当然のようにきかれる。あの美女とぼくの関係性を疑問視。  「兄貴の彼女だよ」とこたえる、ちょっと優越感気味の自分。  ここで、現在に戻る。心のなかに潜んでいる幻の美女が、もしかしたら、この人を表しているのじゃないか? と考え出す自分。    指紋を照合して、8割方この人が犯人です、と一致したような驚き。だが、必死に否定する現在のぼく。首をおおきく振る。そんなわけあるもんか。

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トゥルーボイス(37)

もてる男  十代後半につるんでいた友人。彼こそが、その名称に値するのか。  声をかけて、女性の目に映るのは、彼だけ。急遽、透明人間になる自分。本当に、おれは、この地上に存在しているのか。彼女たちに、この複雑な神経をもった男は見えないのか?Yes。  その頃、よく行ったファミレスの女性店員を彼がからかう。好意をもっていると。(その気持ちは本当だと思う)だが、それから、数日経って、実際に付き合っている女性と、その店に入る彼。  そこに、その女性店員が接客。注文の品を持ってきたときに、グラスをテーブルに、ものすごい勢いで置く(当然、大きな音が)ウェイトレス。たじろぐ彼。  このエピソードが自分のだったら、いいな、とちょっと思ったり。  投網を放り投げる彼。そして、世界屈指の金をみつけたいと思っている自分。その差。

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トゥルーボイス(36)

トリック  ある授業を受けている。聞いているのは男子生徒のみ。主に機械的なテクニックを身につける授業。  その先生が、「長男と次男をこの場で、名簿をみて当てます」  それは、興味津々になる導入。そして、ものの見事に的中させる。下調べを念入りにしてきたのか? 実際は、そうではなく、ただ名前に健一とか浩二とか、はっきり一番目か、二番目の子が分かる生徒の名前を読み上げただけ。あとで知ると、なんだ!となる。現代風な名前が多くなると、このトリックが出来なくなる。  その先生も、数年後、僕たちが高校生の時に、急に亡くなる。かなり若かった。みんなで集まり合って、通夜か葬式に行った。みんなひどくショックを受け、またダメージも大きかった。そんな風に男気にあふれ、好かれている先生だったのだ。さらに、良い中学だったな、としみじみと感じ入る。  だが、とにかく10代の後半である。いつまでもジメジメ悲しんでいられるわけもなく、不謹慎を通り過ぎ、地元に戻って、同窓会気分でファミレスで盛り上がる。後にも先にも、あんなに笑い転げたのは、ないような気が。先生、すいません。

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トゥルーボイス(35)

賢さ  そして、彼は中学生になっている。  その日は、英語の授業がある。「賢者の贈り物」というネガティブまみれの物語を読まされて、辟易している。(当時)  皆さん、知っているのでしょうか? 妻が、その長い髪の毛を切り、夫の時計の鎖を買い、夫は、時計を売り、妻の髪に似合う髪留め(えっ? なんて言うの)を買い求め、二人でいたわり合う話。大体、このような筋。  あんなに、うんざりした(希望多き、中学生に読ませるか)のに、はっきり覚えている。それも、良い話だなとの印象を多く含んで。  しかし、それも忘れ、可愛い子ランキングをはじめる放課後。人気ある子は、本当に人気あるもんだな、と率直に感じ入る彼。でも、と地団駄踏んで、訂正したい。その同級生たちは、表ランキングと、自分の心を、使い分けていたのだ。そこから不正が始まっていたとは知らなかった。  真面目な大人が、書く内容ではない気もするが、本心ってなんなの? という記述。

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トゥルーボイス(34)

道を尋ねる  学校を終えて、放課後。家に帰り、友人と遊んでいる。  その地域としては、大きな病院があり、駅から離れているため、(大人の足で、14,5分)よく見舞い客なのか、道をきかれる。  ぼくも何度も(100回くらいの数字が妥当)訊かれ、また同じように何度も答える。ある種、習慣化している行為。  その友人が、やはり今日も、その道をきかれる。ぼくは心の中で、答えを反芻する。  しかし、友人は、「知りません」と答えた。えっ? そんなはず無いじゃないか?その大人がちょっと離れてから「なんで?」と訊ねると、「面倒くさかった」と返答。そんなこともありか。  この友人の行為をとがめている訳ではない。ただ、その病院は、その地区に利益を還元することが正しいことなのではないかとのこと。だって、子供にこれだけ、無料奉仕させているのだから。  また、大人になってはじめて飯田橋という町に行く。自分もはじめてなのに通りすがりの人に、道をきかれた。そんな! 答えられるはずがないではないか。  さらに大人になって、銀座を歩いている。外国人が「イエナ」という洋書の本屋さんの道を尋ねた。そこは、ソニービル辺り。楽勝。まっすぐじゃん。そのまま告げて、ちょっと経ち、自分も、その前を歩いてみると、店が無くなっている。おれは、一生うそつきの烙印を押されるのか、と酷く後悔。知らなかっただけですから。でも、目の前には交番があるので、なんとか解決してくれたことを望む。  正確さ 現実的な 親切と

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トゥルーボイス(33)

ケーキ  弟が正月早々の生まれ。よくケーキ屋さんも開店していたよな、と思う。  楽しくしゃべりながら、ケーキを購入して帰り道の家族。そのちょっと前に雪が降ったので、いまだ凍結している部分が残る道路。  その時、母親がケーキを手にしているのにもかかわらず転倒。えっ!心配するのはケーキの行方。  家に着き、おそるおそる開けてみて、覗き込むと、なにごとも起こらなかったように無事に形が保たれていた。ほっとして安堵するぼく。  また、生まれた日がぼくの次の次の日の友人。たまたま、そこの家で遊んでいた。その子の家にもケーキがあった。その母親は悪意のある人では、まったくないが、男三人兄弟の家族の経済状態を心配したらしく、家では、あまりこういうものを食べないでしょう? とケーキを出してくれた。  おいしく、とてもおいしく頂いたが、もちろん家でも十二分に食べていることを説明できないことに、いじらしさを感じる。もっと、会話の能力にたけていたらな、とこの面では、あまり成長しなかった記録。

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トゥルーボイス(32)

遠足の朝  気持ちが高揚している子供。そんなイベントが楽しみでない子供がいるだろうか? 楽しみの正体である、遠足の当日。  その日は、兄の出番。  だが、なぜか寝坊する母親。いまなら代替案を数通り、思い浮かべることが出来るが、なぜか通常通り、ことを運ぼうとする母。    炊飯器のスイッチを入れ、熱々のご飯をおにぎりにする母。世の中のすべての恨みを含むののしりをしたいほどの熱さ。なぜ、今日という日に。ドタバタは起きてしまうのか。  別の体験。給食のない一日。面倒なので、適当にパンを数個、買っていき普通に食べていた。別に金銭にはまったく困っていない。  しかし、周りを見回すと、きちんと手の込んだお弁当を食べているクラスメート。ちょっと、あの子? と被害妄想を感じる自分。自意識過剰すぎるのか。

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5月になりました

 だんだんと普通の人の、普通に興味があることが分からなくなってきました。  ある有名人の保釈のことでしょうか?  おいしい行列のできるラーメン店でしょうか?  それとも、サッカーのワールドカップでしょうか?(これなら多少)  と考えても答えが出ません。なので、日常会話にも支障をきたしているのか。  この惑星におさらばするべきなのか。ちょっと春の気候とは裏腹に病んでいるのか。  今日のところは寝てしまおう。

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